画像:横浜、山手付近にて
Jazzの記事です。
私は大学の頃、Jazz研に所属していましたが、もうこの頃から集団に入り込むのが苦手で、しかも受験に失敗した流れで鬱状態の中、山に閉じこもったり、Jazz喫茶に逃げ込んだりの状態で、本気でJazzに取り組む事なく過ごしていました。
大人になってから、復活しようと一時期だけですが、渋谷のライブハウスで活躍しているプロのJazzピアニストの方のレッスンを受けていました。
それでも、月一回、6ヶ月くらいの間です。
これが、とても役に立ちました。
この頃書いた記事を転載します。
記事は、スタンダードの中でも超有名な曲で、「Stella By Starlight」という曲についてです。
膨大な数がある、Jazzのスタンダード曲の中でも、私がトップクラスに好きな曲です。
1944年のパラマウント映画「呪いの家」のためにヴィクター・ヤングが作曲した曲。
もともとは歌詞が無い曲なので、Jazzでもやはりボーカルでよりも、インストゥルメンタルでの名演奏がほとんどです。
通常の演奏はB♭(変ロ長調)の曲ですが、出だしから不思議なコード進行で始まり転調していくという、独特な雰囲気を持った名曲です。
Jazzのセッションでも、定番曲としてとてもよく演奏されます。
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旧ブログ、2012年6月11日の記事より
昨日6月10日、3回目のレッスンがありました。
Jazz pianoを知らない方にはちょっとマニアックな記事になります。
レッスンテーマはDrop 2ndと、アッパー・ストラクチャーというヴォイシング。
これまで長年、左手は「クローズド・ヴォイシング」という技法で(しかも超自己流の)やって来たので、このあたらしい2つの技法は気絶しそうなくらいのヴォリュームです。
でもこれがとても、それはそれは素敵な響きなのです。
ブロックコードで弾けるようになりたいので、何ヶ月かかろうとも必須項目です。
まあ、いまさら気付いたことですが、凡人は自己流はダメです。
スポーツもそうですよね。
ダメなまま、進んでいきます。
初めは、そこそこ勢いで伸びていきますが、自己流は、方向性が最初から少し曲がった状態でスタートしています。
最初は曲がり方が小さいので、少々上達して行って、気付くと大きく曲がっていて、そこで壁にぶち当たります。
何でもそうです。
それでもこの度は教えてもらう度に、「目から鱗」です。
それがわくわくします。
ヴォイシングと並行してアドリブラインはコピーしかありません。
私は、Bud Powellと、Powell派のピアニストのコピーばかりをしてきました。
課題曲は、当然好きな曲になってきます。
今月の課題曲
1.Stella by starlight
2.On green dolphin street
3.Scrapple from the apple
4.F -Bluesのオルタードスケールでのレッスン
このくらいのペースです。
ここで、私の好きなStella by starlight ベスト3は、
1位:Miles Davisのアルバム「1958マイルス」収録。ダントツです。コルトレーンほか各人のソロが少なめの音数でとてもクールな演奏だ。この緊迫感と全体の雰囲気で100点満点。マイルスがそこにいるだけでこの演奏が生まれた、と言える1曲。
2位:これもMiles Davisのアルバム「My Funny Valentine」収録。いきなりハービーの超美しいイントロがこの演奏の「カラー」を決定づける。
そしてマイルスのテーマと1コーラスのソロで圧倒的な「ステラ」になってしまった。ライブ会場のお客が叫ぶ気持ちもよくわかる。ハービーのテンション使いまくったピアノソロは解読不可能なほど美しい。
3位:Bud Powellのアルバム「バドパウエルの芸術」収録。1947年の録音が圧倒的に有名で、ジャズピアノの教典と言われた演奏だが、Stella by starlightは1953年の演奏。パウエルにとっては絶頂期のタッチはなくなっているが、それでもそんじょそこらのピアニストには表現出来ないであろう、パウエル的美の極致。
ほとんどテーマでしかも1コーラスでエンディングとなるが、このエンディングのパウエル流リハーモナイズ、ああジニアス・Bud Powell。終わってみると、こんな危うい美しさの「ステラ」に、何度聴いても感動する。
写真:アルバム、「1958マイルス」