画像:今日はレストランで演奏でした。(私の席より)
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Jazzの記事です。
Jazzに興味ない方がほとんどだと思いますが、わたくし10代後半からJazzという音楽で生存してきたような人間で、ブログで書かないわけにはいかないので、
ということで書きます。
何せ学生時代にしたアルバイトで得た収入は、ほぼ100%JazzのレコードとJazz喫茶に消えていたくらいですから、かなり危ないと言われるくらいのレベルです。
学生時代は、当然CDというものがなかったわけで、全てアナログのレコードです。
レコードにしておよそ700枚のレコードを持っていました。
数が定かでないのは、当時、数少ない仲間と交換トレードしたり、お金がなくなって中古店に売ったりしたので分からなくなっています。
今は、1枚ずつ聴きたいものをCDで買い直しています。
最近Amazonで買って一番聞いているのが、リー・モーガンのアルバムです。
いくつかある中で、好きなアルバムは、「Search For The New Land」です。
今、車で一番聞いています。
今日も、とあるレストランのオープンマイクで演奏して来ましたが、行き帰りずっと聴いていました。
このアルバムは、天才トランペッターのリーモーガンのアルバムですが。
参加メンバーがこの時代のJazzの雰囲気を最も再現している人たちで、ハードバップから脱しようとする意思が強く感じられながら、けれども単純にモードJazzに走らない、微妙な不思議感を出している点が、私好みです。
録音された1964年といえば、コルトレーンがA Love Supremeでその表現の一つの頂点を極めたとされる時期、またマイルスもレギュラークインテットで一つの黄金時代を築いていました。
そんな時代で、このモーガンの「Search For The New Land」は、モード的なサウンドの雰囲気を醸し出しながらも、メッセンジャーズ在籍時から続く熱っぽい東海岸Jazzのパワフルさも持っていて、一般的な新主流派と呼ばれるJazzには括れない音世界を形成しています。
実際、曲の雰囲気はモード的であっても、モード手法での曲ではありません。
私はいろいろな時代のJazz全て好きなのですが、このアルバムのような、ハードバップ的な新主流派が大好きです。
本アルバムが「微妙な雰囲気」で素晴らしい演奏となったのは、ウェイン・ショーターとハービー・ハンコックの参加がやはり大きな要因でしょう。
ご存じのように、当時2人はマイルスのクインテットのメンバーで素晴らしい演奏を残しているわけですが、ここでの演奏も彼らの最良の演奏と言えると思います。
ショーターは、マイルスの元にいる時よりも、フレーズはコルトレーン的に聴こえますし、ハンコックのピアノもマイルスグループの時よりハードバッピッシュと言える雰囲気です。
全てのトラックが良い演奏ですが、私の好みは、タイトル曲の「サーチ・フォー・ザ・ニュー・ランド」と、「メランコリー」です。
抒情的な名演奏です。
3曲目の「MR. ケニヤッタ」はハードバップ的なモーガンのオリジナルで、これも60年代のJazzの雰囲気を代表する、パワフルかつメロディアスな彼らの素敵なアドリブが満喫できます。
全体に、モーガンのトランペットは相変わらず冴えまくっていて、私はこのアルバムの2ヶ月前の録音の大ヒット作「Sidewinder」や、アイリメンバークリフォードで知られる「リーモーガンVOL.3」よりもこのアルバムの方が優れた完成度だと思っています。
そんなわけで、このところ、学生時代から聴いて来たのに、改めてリー・モーガンの魅力に取り憑かれているわたくしでございます。