丹後山登山の思い出

山に登る

画像:丹後山頂上直下の笹原

私は、上越国境の山々、新潟県、群馬県、福島県や、尾瀬周辺の山が大好きで、仕事が空くたびに登りに行ってました。
中学生の頃からこの周辺の山が好きで、中学時代に谷川連邦、高校3年生くらいまでにこの方面の多くの山を登りました。

中学生当時、この地域の、国土地理院の50000分の1地形図を見ながら、計画を立てたものでした。
山に行かなくても、地形図を見ているだけで、十分楽しむことができました。
その頃、私の部屋はギターと楽譜と、50000分の1地形図で足の踏み場がないほど散らかっていました。

この方面の山で一番登りたい山が「丹後山」だったのですが、一般の書店で売っているガイドブックには登山道としては紹介されていませんでした。
おそらく、主尾根も足の踏み跡程度だったのでしょう。

そして、2011年7月、その時がやってきました。

前日も、たくさんの制作仕事で、なんとか夜までに片付けて、仮眠程度で未明に車で出かけるというパターンでした。
当時の登山手帳が残っていますが、メモにはテンション上がりまくった文字で出発の時間が記入してあります。

この記事、けっこう丹後山ファンの方が読んでくれているみたいで、ありがたいです。

滅多に無いくらいの快晴でした。

なにしろ、私が休日だけは自由にコントロールできるので、一番良い天気の日を狙って出かけられますからね。

以下、丹後山登山の記録です。

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ついに私が中学生の頃からの憧れの山、丹後山に登った。
上越国境で1,809mと標高はたいした事ないが、なぜか、惹かれていたのだ、この山に。

登ってみて、本当にすばらしい山、その表現しか出来ない、思っていた通りの山だった。

本来は、中ノ岳から縦走するのが普通だろうが、過去に真夏の山行でフラフラになった事があるので今回は丹後山のピストンとした。

真夜中、車で出発。外環から関越道。

十字峡Pに5:00着。

仮眠して、十字峡Pを5:50発。林道歩いて丹後山登山口6:50。

カモエダズンネは鉄砲尾根の名の通り、今まであったっけ、こんなものすごい急登、という感じ。
2合目までで1時間、途中休憩3回。ここまでが一番きついはずが、その後もずっとキツい。

(注:カモエダズンネとは、丹後山の唯一の登山道が付けられた尾根の名前である。誰が名付けたか、登山者か地元の人だかはわからないが、奇妙な名前で、こちらの上越方面の登山者の間では、知られた名前だ。急勾配なことでも有名である。)

5合目でへとへと、それでも小休止だけにして一定リズムで着実に高度を稼ぐ。7合目より上は、20歩毎に立休みしながらようやくシシ岩に到着10:10。
目の前に一面のチシマザサに覆われたドームのようなかわいい丹後山。
私は、こんなタイプの山の景色が一番好きなのだ。

シシ岩からやっと足取りが軽くなり、不思議と疲れがすっ飛ぶ。
ランナーズハイ状態か。丹後山避難小屋が見えた時一人でガッツポーズ。

この辺りからはすばらしい眺望。東側に谷を隔てて平ケ岳や尾瀬、南会津の山々、北に越後三山、特に大水上山〜兎岳〜小兎岳〜中ノ岳の稜線が格別に美しい。
南には巻機山方面の上越国境稜線がカーブを描き、そして谷から吹き上げる風に音を立ててウェーブをおこすチシマザサ。
これを見るために来たのだ。
しかも平日のおかげでこんなに好天なのに登山者は自分一人。

写真2:振り返って、丹後山避難小屋と、下津川山から巻機山方面

なんとここまでで、持って来た水3Lのうち2Lを消費。10:40丹後山山頂到着。栃ノ木橋から3時間50分。

本当に思った通り、「とても美しい山」、他にどんな形容詞も陳腐になってしまうような世界だ。
天上の楽園とはまさにここだ。
中学生当時の私にとっては、なぜかこの山が超神秘の山で、五万分の1地形図「八海山」を買ってきては1日中眺めていたのだ。
地形図上で、ここからの眺望は、この山が見えるとか、色々思いを巡らしたものだ。

やっと登れた。感動! もうこの草原でしばらく寝そべっていよう。

写真3:丹後山から中ノ岳を望む

休憩後、大水上山へ。利根川水源碑は、期待していたほどのこともなく通過。

写真4:大水上山から兎岳方面。右遠方に荒沢岳。

1時間で大水上山着11:40。目の前に兎岳〜中ノ岳への稜線が誘惑する。
若干の食料もあるので、中ノ岳避難小屋泊も頭をかすめたが、きょうは無理せず、深入りせずここで引き返す。
やるとしたら逆コースだろう。次回の楽しみ。

写真5:兎岳から中ノ岳の縦走路。中央奥に前回登った越後駒ヶ岳。

丹後山避難小屋の雨水タンクの水は、冷たくてきれいでとても助かった。管理されている地元の方々のおかげで我々もこうして大自然を満喫出来るのだ。本当に感謝だ。1Lほどのお水をいただき下山へ。

ありがとう、丹後山。中学生からの夢が乗っかった登山。本当にすばらしい山だった。
帰りたくない。もっとここでたたずんでいたい。

下山は、ガイドブックの通り「ただひたすら下るのみ」である。山に登ると下りでいつも思う。ここ本当に登ったの?

きつくて、もう登れないかもしれない。カモエダズンネは。。。

写真6 : 栃ノ木橋で三国川におりて水遊び。上越の雪解け水は、真夏でもとても冷たい。美味しくて相当飲んだ。

写真7:登山手帳 地元のセブンイレブンを未明2:50出発

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追記:下山して、三国川でニッカズボンをまくり足を水につけ、これでもかというほど飲んで、頭から何度も水をかぶり、ゴツゴツした渓流の石の上に寝そべったその時、生きてることの喜びが全身を貫いたのを覚えています。
このために生きているんだなと。いや、これ以外何もないのだなと。
登山手帳にも、そんなことが書いてありました。

なんの報酬もないし、誰からの評価も何にもないけど、生きる目的ってこんなもんだなと。
本当にこの地球って、ログインしてゲームしてるだけです。

注:三国川「サグリガワ」とよみます。

 

 

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