津留晃一さん VOL.6・・・起きてくること-前編

津留晃一さん

画像:栗乃木ハルミ作品「ひまわり2」(くりのきはるみ画・2007年の作品)

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「お金に対する恐れ」「私がやらなきゃという価値観」
について書いてきましたが、当時、日々自己観察しながらも、これらの観念が完全に消えてなくなるわけではありませんでした。
途中から、全部消さなくてもそれでいいやと思えるようになったのです。
それが、ほぼ消えてきたという事なのでしょうけど、どうでもいいや、いい加減で良いやと思えたのです。
今思うと私の、完璧主義からの脱却の瞬間だったのでしょう。

それでも、全く働かないのですから、当然どんどんお金がなくなっていきました。
完全に何の予定もない無職、日々の生活費、ただ遊んでいる1歳の娘、何もしていないのに請求される税金、月末に引き落とされる家のローン、親・親戚からの愛ある攻撃。
そんな中でも不思議でした。
本当に、楽しくて仕方なかったのです。
この辺りのことは、今でもよくお茶会で皆さんが質問されるところです。
なぜ、怖くなかったのかと。
怖くないのですよ。
観察者になる練習の成果で、「恐れ」を俯瞰して見る事ができるようになってきたからです。

「恐れ」は観測するけど、怖くはない、

なのです。みなさんも、慣れてしまえばそうなります。

またそれは、たかがゲームだとわかっていたからです。
私が、公務員勤務中に突然目覚めたのは、ワンネスの中での私バージョンのゲームを演じていることだということがわかったのです。
誰もがゲームの主人公です。
また誰もが、それぞれのゲームの運転手で、そしてその宇宙には自分一人しかいないのですね。
そんな説明しかできません。笑

それでは、VOL.6

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津留晃一さん(その6)「起きてくること-前編」。

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その後、私に「起きてきた事」を書きたいと思います。
わたしにとっては、それまでの私の経歴では考えられない人生の展開なので、今でも信じられないのですが。
そんなわけで、書いてみる事にしました。どなたかの、少しでも参考になればという事で。
一番お伝えしたい事は、
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本当にあるのです、宇宙に委ねていると、起きてくる事が。

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実にたくさんのシンクロニシティが起きまくって、今現在の私の仕事が生まれました。
流れを省略しすぎると、その辺の雰囲気が伝わりにくいので、長い話になりますので、2部に分けます。
1998年4~5月のことです。
Hawaii長期滞在から帰って、特に何もする事なく実に質素な日々を過ごしていました。
ある日妻が、うちも大きな鏡(姿見)が欲しいね、と言ったので都内の家具屋めぐりをしました。
目黒の家具屋さんですごくピッタリのデザインの木枠のフレームの鏡が見つかり、オーダーしました。
そう、展示してあるのはサンプルで、オーダーだったんです。
実は、ここからもうシンクロが、始まっているんです。
納期が2ヶ月かかると言われ、前金で支払い待っていました。
待っていたというより全然忘れていました。
いつの日か出来上がって、普通に連絡がくるだろうから。
3ヶ月位して、「そう言えばあの鏡まだ連絡来ないね。」という事で、家具屋さんに電話。
調べてもらったら、まだこれからという事で、さらに2ヶ月もかかるとの事。
そんなのが2回もありました。
もうこのお店やめて他にしようと、返金してもらいキャンセル。
その時でしたが、なぜだかわかりませんが、ふと「自分で作る。」ということが浮かんで来たのです。
家具屋さん巡りしていたときに、別の店(文京区本駒込)にあった木のフレームが頭からはなれず、なぜか作れそうだ、と思っていたのです。
もちろん私は木工の経験はゼロでした。
ただ、そんな制作しているイメージの夢らしきものを見たのを覚えています。
でも結果的に「自分で作る。」と浮かんだ日から2週間後に家具屋さんで見かけたものと同等以上のものが完成していました。
木枠のデザインが、どこのお店にも無いような独特のものでしたが、それら以上に理想的なものでした、
それでも、家の鏡を自分で作った、というだけの事です。
一つのものを作るのにいろいろな材料屋さんが必要なわけです。木材、ガラス、鏡、金具、そして木工機械。
そんなプロの人しか用のない材料屋さんがわずか数日でポンポンと見つかったのも不思議でした。
このあとは、毎日毎日バカみたいに額縁を作っていました。全く売れる見込みのない木の額縁が、家中にころがっていました。
売れる見込みがまったくないのに、なぜだか楽しくてしょうがないのです。
中学のとき、ギターを寝ないで練習してたとき以来のエネルギーです。
どんなに寝不足でも、まったく疲労感が無いのです。
こんなものを売って食べていけるとも思えないし、ましてインテリアの業界なんて全く縁のない世界なので営業する気も起きないで、ただ作っているだけです。
しかし、そんなバカみたいな勢いのおかげで、あっという間に完璧なスキルになっていました。

津留晃一さんに最後に会いにいったのもこの頃です。
額縁の制作が起きてきた事を話すと、アドバイスいただきました。
「売ろうとしないで下さい。」
「売る、と決めて(意図して)下さい。」
「宇宙がやってくれます。あとは信頼です。」
この言葉の深さ、全てに通じますよね。
私が何か恐れから思考に走った時、いつもこの言葉を思い出すようにしてます。
今でも忘れません、この頃、わが家の貯金の合計が残り¥3,000になりました。
まったく「お金に対する恐れ」がありませんでした。
その後の事です。(その7)「起きてくること-後編」へ。

写真:尾瀬、長沢新道のダケカンバ新緑

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